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下町っ子の昭和

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下町っ子の昭和

高橋澄夫

出版社:
エムテック
判型:
A5判
ページ数:
191ページ
発行日:
2008/10/25 
発売日:
2008/10/25 
対応端末:
PC, iPhone, iPad, Android, Tablet

PC版:ストリーミング対応
iPhone版・iPad版・Android版・Tablet版:ダウンロード5回

購入(¥500 税込)

還元マイル:50マイル





 「芝で生まれて神田で育つ」とは異なり、当時は場末と言われた東京下町の南千住で生まれ育った戦中派の、時代背景と昭和六十四年間の記録である。

① 生い立ちから小学校のころ  
 腕白とか悪ガキなどと世間は言うが、当の本人達にそんな意識は微塵も無く、チャンバラ、めんこ、ベーゴマ、けん玉などなど、ひたすら遊ぶ。年子の弟妹を持つ私のガキ大将、我々少年団の団長らの万引きによる少年審判所行き、その他種々の体験の中で、学校ではよき先生、家に帰れば親、兄弟友達、親戚、近隣の人々との濃密な人間関係の中で成長してゆく昭和初期の男の子の日常である。

② 戦中戦後の学徒
 南千住に創設された航空工業校に入学、早稲田高等学院から早大理工学部電気通信科へ進学する。戦時下の厳しい統制下、祖国日本を愛し、大東亜共栄圏構想に感動し、勉学に、軍事教練に、勤労動員に励む。東京大空襲の火災のさなか延焼防止に奮闘、親戚、知人を失い多くの焼死体を見る。敗戦による変貌、すさましいまでの欠乏生活の中での勉学と、目覚めゆく自意識の青春である。

③ 社会人その一―電話の復興からIT社会の実現へ
 逓信省(後の電電公社)に就職、直ちに現場に派遣され、戦後の荒廃から立ち上がる電話事業に携わる。相次ぐ五ヵ年計画のもと、保守、調査、建設、労務、教育を歴任、「すぐつく電話」「すぐつながる電話」を目標に掲げた時代から、世に出たコンピュータを通信回線でつなぐデータ通信によって情報が広がる今日のIT社会創出に努める。 

④ 社会人その二―情報通信技術強化の為に 
 電電公社からの初の転職者として立石電機(今日のオムロン)へ勤務する。メーカにとって重要な要素となりつつあった通信技術の導入強化を進める一方、その応用商品の開発、生産、販売に従事する。これらを通して、既得権益を持つ電電インサイダー企業との葛藤や、縦社会日本システムの矛盾を痛感することになる。しかし、立派な経営者との交流の中で多くのことを学んだ。企業人としての能力はともかく、今までの人生のすべてをかけた日々であった。

補足
 この電子出版は、イデア出版「下町っ子の昭和」に書かれた誤字を修正し、本文中の一部をカラー写真とした改訂版である。

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はじめに

1.生い立ちから小学校のころ
  牛乳屋の父母-下町風景、ミルクホール、流行歌
  下町っ子の遊び-ベーゴマやけん玉など、ガキ大将、少年審判所  
  恩師や父達の教え-東大出の恩師、読書、珠算、家業手伝い
  進学-恩師や使用人の指導、南千住に出来た難関校へ

2.戦中戦後の学徒
  非常時における教育と勤労-新設校の意気込み、教養、畑作り、教練、体育検定
  空襲、強制疎開そして終戦-早大での通年勤労動員、横須賀そして沼津海軍工廠、下町大空襲
  食糧難での勉学-闇物資の交換買出し、ラジオ修理、塾経営、弟の死

3.社会人その1 電話の復興からIT社会の実現へ
  電信電話の復活-逓信技官に、現場保守、本省調査課
  通信設備の増強-警察通信、建設、労務
  訓練業務-クエイト国コンサルタント、学園教務
  データ通信-出向、大阪万博、海外情報処理調査、データ通信普及

4.社会人その2 通信技術強化のために追記
  立石電機転入-入社経緯、通信技術強化策、
  電電公社向き商品の開発-データ端末、電源制御タイマ、カード電話、構内交換、
  立石東京通信研究所-人材導入、構内通信、トップセールス、退職

追記

「下町っ子の昭和」に寄せて   家政大学理事長、元早稲田大学総長 清水 司

あとがき

参考文献

誤字修正 
       63頁の男4人を男5人に
       115頁の小暮美千代を木暮実千代に
       184頁の既生を既成に



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