
- ジョージア(旧グルジア)の古典的著名作家の本邦初訳作品。旧ソ連のスターリンも好んで読んでいたことが知られている。ジョージア人の慣習や気質に触れつつ、ロシアに併合された時代の民衆の苦しい生活を描いた作品が多い。物語の前半でいくつかの異なった場面が展開、その先どうなるのかを追わずにはいられない卓越したストーリーテリングが特徴。
アレクサンドレ・カズベギ作品選|三輪智惠子|成文社
ぼくが羊飼いだった頃の話
名家出身のカズベギが青年時代に羊飼いとして当時のジョージアの庶民の生活を体験したことに基づいて描かれている。
ツィコ
貧しい家庭出身の少女と名家出身の青年の悲恋物語を軸に、成り上がり領主の気まぐれから起こる凄惨な事件が描かれる。
ニノ
帝政ロシアに併合されていた時代、貧しい少女の身に起こった悲劇が描かれる。
長老ゴチャ
男同士の友情と裏切り、父と息子の関係、不当な支配欲に燃える侵入者との戦いを描く中で人間の根源的な問題を問う。