
- イリーナ・コジェーヴニコワ(1925―2011)は、画家ブブノワの伝記作者として著名だが、その他にも日ロ関係に少なからぬ貢献を果たした。本書はイリーナさんが遺した文書を読み解き、個々のヒトの「ヴォイス」を甦らせようという試みである。いぬいとみことコルネイ・チュコーフスキーの児童文学、ワルワーラ・ブブノワの画家としての業績、「青年同盟」をめぐるニコライ・ハールジエフの研究、島尾敏雄の小説が蘇ってくる。
イリーナさんというひと|太田丈太郎|成文社
はじめに
第一章 イリーナさんのアーカイヴ
第二章 ブブノワとシェープキナ──実現しなかった帰国の夢
第三章 米川正夫のワルワーラ・ブブノワ宛書簡
第三章(補遺) 佐々木千世と池田健太郎のブブノワ宛書簡
第四章 ハールジエフ・ブブノワ往復書簡──「青年同盟」をめぐって
第五章 チュコーフスキーとの再会──日ソ児童文学をめぐる断片
第六章 島尾敏雄の「雪どけ」──モスクワ、一九六五年秋
第七章 イリーナさんというひと
あとがき