
- 国立山梨大学で美術教育の一翼を担う一方、絵画、写真作品、インスタレーション、アートプロジェクトなど幅広い創作活動が「日本で発表されているアート400選」(2018年)に選出されるなど高い評価を受けている美術家・井坂健一郎氏。本書は、「虚実を混在させる彼の世界観は、幼いころから抱き続ける不思議な感覚と日本の現代美術の歩みとが二重写しになっている」(『月刊ギャラリー』3月号「美術の駅」より)と評される氏の作品群の中から、アートプロジェクトの建築を含む代表的な作品と、氏の創作活動を支えてきた美術観に関する論考を収めた初めての著作。
世界の日常を一変化させたコロナ禍に象徴されるように時代の転換期を迎えたいま、30年来、美の本質を問い続けてきた氏が「美意識とは何か?」と自問自答しながら、「新しい美意識の発見が新しい社会の発展を生みだすのではないか」と私たちに問いかける。巻末にコロナ禍後の新しい美術教育についての提言、特別寄稿(七沢賢治氏)を収載。
真美識の発見 虚実の間へ|井坂健一郎|和器出版