ブックタイトル月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み

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概要

月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み

がこれまでの採用例だが,これらは経済性や環境を追求した性能ではなく,本来の目的達成のために電気推進を採用したものだった。二重反転方式のプロペラを採用◆内航船に適合20,000DWTセメント内航船の運航を外航船と比較すると,①定期航路が多く航路の自由度が低い,②離着桟回数が多く,月平均4航海で16回・年間では約180回になる,③片道で30~50時間と航海時間は短い,などの違いがある。これらを踏まえて宇部興産海運では,航海モード/荷役モード/離接岸モードの運行エネルギーを電気推進方式で行うことを決定した。◆操作性向上興山丸の推進システムはSESの「タンデム・ハイブリッド方式」を採用している。ディーゼル機関直結のプロペラ後方に,電気駆動のポッド推進器を配置することにより,二重反転方式(プロペラの後ろに逆方向に回転するプロペ1ラを配置し,回転流のエネルギーを回収し,流れを整える)により推進効率の向上を図った(写真?)。前部プロペラが発する回転流のエネルギーを後部プロペラが推進力に変換するもので,ポッド(プロペラ)は360度回転するため,大型船とは思えない図表-1のようなきめ細かい操船が可能となった。これにより「車で言うと縦列駐車などに匹敵する」(大島部長)離着桟の性能が飛躍的に向上した。また発電機や推進用電動機等の機器配置が柔軟に行えるため,船体をスリム化すると共に抵抗の少ないバトックフロー船型を採用でき,サーフェスラインの採用により保針性の向上による安全性を確保した。前プロペラは4翼CPP,前プロペラ用推進原動機にディーゼル機関3850kw,後プロペラにはポッド推?360度回転するプロペラ進器(5翼FPP),後プロペラ用推進原動機には三相誘導原動機1500kwを採用している(写真??)。CO2削減効果は20%,騒音・安全対策も平成18年に施行された改正省エネ法により,海運では2万総トン以上の事業者にエネルギー使用量などの定期報告が義務付けられている。宇部興産海運もこの特定輸送事業者(貨物35社)に位置付けられたことで,省エネ推進策として同プロジェクトを推進してきた。図表-1きめ細かい操船が可能2013・2 17