ブックタイトル月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み
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月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み
特集/グリーン物流実践事例物流環境保全活動賞鹿児島から全国への「炭化ケイ素」輸送でモーダルシフト,省エネ実現屋久島電工株式会社日本通運株式会社日本貨物鉄道株式会社屋久島電工が国内で唯一,製造・販売している「炭化ケイ素」は,平成22年6月まで,屋久島から海上輸送後,3か所に分散して保管され,トラックで最終目的地へ二次配送していた。それを鹿児島まで海上輸送し一旦保管の後,オーダーに応じて鉄道コンテナを利用した全国輸送に転換した事例である。年間取扱量はJRコンテナで5,000個以上となり,CO2削減量は約500t,削減率は約36%に。物流改善により環境負荷低減,地域社会への貢献など,様々なメリットを享受できたという。セラミック材料として注目集める本プロジェクトの主役は太平洋セメント㈱の子会社である屋久島電工㈱が製造する炭化ケイ素(SiliconCarbide)「ダイヤシック」だ。炭化ケイ素は非酸化物セラミックスの一種で,1891年に米国でダイヤモンドを合成しようとした際に偶然発見したといわれる。同社は年間26,000tに及ぶ炭化ケイ素を製造しており,有益な特性を数多く持つ素材として注目を集めている。かつては耐火材や研磨・研削材としての用途が主だったのが,近年ではファインセラミックス,エンジニアリングセラミックスなどの半導体の素材,触媒,ブレーキパッドなど自動車関連用品としても活用されているのだ。ダイヤシックは屋久島内の工場で製造後,主に1tのフレコンバッグに積載,福岡県・太刀浦港,愛知県・名古屋港,千葉県・船橋まで船舶輸送された後に各地域の倉庫に分散して保管,オーダーに応じて出荷しトラック輸送が行われていた(図表-1)。1?世界遺産・屋久島3か所の倉庫では多様な品種を一定量在庫として保管していたのだが,欠品が出た際には遠方倉庫からの横持ち輸送が発生するため,時間的ロスのほか,莫大な物流コストが大きな課題となっていた。そこで同社は新たな輸送方式を模索。工場で製造後に屋久島・宮之浦港から鹿児島港まで船便で運び,日本通運のトラックで日通・鹿児島倉庫まで陸送し,ここに集約保管することにした(図表-2)。20 2013・2