ブックタイトル月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み
- ページ
- 19/34
このページは 月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み
「重要視したのは,トラックやコンテナの積載効率向上。容積アップした製品をいかに効率よく積載して届けることができるかがポイントでした」と物流部の安藤徹部長は語る。そこで同社では製品開発,プラント設計の段階から,物流効率化を図る方法を模索し,スクラッチで模索していった。工場ではほとんどフルオートメーションで生産され,最終的に梱包ラインもロボットでパレタイズされ,車載されるが,そこでの積載率向上に挑んだのだ。国内では10t低床車を通常使用しているが,1梱包25モジュールを2段重ね(1梱包あたりの高さは1200㎜×2段で2400㎜)にすることで24梱包積載可能とし,1台につき600モジュール積載可能となった(写真④)。これによりトラックの積載能力を最大限活用することが可能となり,車両稼働台数が減少す4?車両に積載するCIS▲物流部の安藤徹部長ることによりCO2削減に寄与することができる。またフォークリフトでの搬送効率も重視し,2梱包(50モジュール)を積載可能とすることで,作業の無駄のほか,倉庫内のフォーク稼働工数まで削減することに成功したという(写真⑤)。コンテナは40ftHQを使用するが,2段重ねで高さがぎりぎり入り,900モジュールまで積載可能になった(写真⑥)。「空間はほぼ使い切っている状態」(安藤氏)として,スペースの無駄を排除したのだ。段ボールを廃止,廃材を出さない製品出荷と梱包材回収フローは図表-1の通り。モジュールを重ねた状態で輸送するため,下段に積まれた貨物は500㎏までの重量に耐えられなければならない。従来は段ボール箱に梱包し積載していたが,新製品は重量があるため,輸送途中でのダメージも懸念された。そこで同社物流部が考えたのが「コーナーピース」だ。段ボールを使わず,これをモジュールの4隅にはめ込むことで,重ねた場合でも荷重はコーナーピースに吸収されるため,モジュール自体には負担がかからず,製品にダメージを与えることなく安全に運ぶことが可能となった。これは工場内で出荷時にロボットが組み立てていく。従来は2モジュールを1つの段ボール箱に積載していたが,大規模現場では段ボールの数も相当な数に上がる。それらの処理は受け取ったユーザー側で処理するのが一般的だが,片付ける労力や現場で段ボール5?フォークリフトで2梱包(50モジュール)を運ぶ6?コンテナには900モジュールまで積載の山となることから,イメージダウンにもつながりかねなかった。「メガソーラの建設現場でよく聞く話ですが,段ボールから取り出すには手間と時間がかかっていました。それがコーナーピースを外すだけでよくなり,施工スピードが上がったとお客様から喜ばれています」(同)この段ボール不要の梱包も,3R推進・施工現場での廃棄物削減を実現できることで今回の受賞理由の大きな要素となった。「裸梱包に近い状態のため廃材がほとんど出ない」(同)ことに加え,コーナーピースやパレットは工場に回収し再利用されているのだ。現在のコーナーピース,パレットなどはPP樹脂製だが,今後はリユースの一歩先を行き,使用後のリサイクルも検討しているという。現在トライアル中で,廃材を可能な限り削減し,環境負荷に貢献していく計画だ。2013・2 33