ブックタイトル月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み

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概要

月刊 マテリアルフロー 2013年2月号 No.635_立ち読み

私ども次世代薬局研究会が掲げる「2025」というのは,昭和100年に当たる2025年に団塊世代がすべて後期高齢者となり,それまでに対応しなければ医療費の逼迫,競争の激化などで薬局は大変なことになるとの意味を込めました。そのために政府も社会保障と税の一体改革を進めていますが,これまで長年にわたる医薬分業推進策により現在,薬局の数が54,000件とコンビニより多くなってしまいました。一店舗当たり人口はわずか約2,000人。一部調剤薬局も含むドラッグストアが18,000店舗で,同8,000人です。また薬科大学が06年から6年制になり,12年に一期生8,000人が卒業し薬剤師になりましたが,いずれ薬剤師が過剰になることが目に見えています。薬局・薬剤師業界は制度依存型です。処方箋調剤は税金・保険料・そして自己負担金で賄われています。中でも医療制度は大きな変革の時を迎えています。今後の医療は従来の一病院完結型から,地域完結型へシフトして行きます。高齢者が急増するからで,介護,生活までをケアする地域包括ケアへと変化することは避けて通れない課題と思います。高齢化で医療・医薬のニーズはますます増加するものの,薬局のオーバーストアに加えドラッグストアの参入で調剤薬局の競争はますます激化し,再編・淘汰も進むでしょう。また薬剤師の過剰,地域中心ケアへのシフトという環境変化により,今までのビジネスモデルが通用しなくなります。つまり今行動を起こさないと,患者のニーズに応えられる薬局・薬剤師,SCM機能を備えた薬局として生き残れない。その分岐点に我々は今,立たされているのです。今日はそうした意識の高いお2人の薬局経営者とコンサルタントにおいで頂きましたが,多くの薬局は今までの世界に浸り,危機感がないように感じられます。次世代薬局研究会2025では,そうした問題意識で啓発し合い,取り組みを進めていくために意見・情報交換などを進めているところです。個人薬局・チェーン経営の現状―では都内・京橋で調剤薬局を経営しておられる秋葉さん,今のお話を受けて薬局経営の現状をお聞かせ下さい。秋葉私どもは一般薬も扱っていますが,調剤薬局の業務に限れば,処方箋という「球」を受け取る「キャッチャー」の役割であり,新たなニーズや患者・市場を開発することはできません。そのため目指すところは,皆さんが来たくなるような薬局を作る,名キャッチャーになる,ということに尽きます。一方,一般薬の販売については主体性をもって「ピッチャー」の役割も果たせます。とくにドラッグストアは営業力があり,患者のニーズを捉えた調剤でも実績を伸ばしています。京橋エリアは近年オフィスビルが増えて住民が減り,薬局がどんどん減っています。しかし通勤者を対象にしたクリニックなど医療機関は多数あります。私も含め患者も医者もみな通勤者。通勤できる以上,重病人はいないのが特性で,こうしたオフィス街での地域医療は,政府のいう地域とは異なります。当店はいわゆる病院の「門前薬局」ではなく地域薬局で,近隣で約25か所,その他患者さんの地元など幅広く200位の医療機関からの処方箋を受け付けています。―次に薬局チェーンの取締役である金さん,お願いします。金当社の本社は港区新橋ですが,神奈川,東京,千葉などに22店舗のフランチャイズ薬局チェーンを展開しています。大半は町の診療所の門前薬局で,他に在宅医療に特化した店もあります。当チェーンは米国に本社があります。米国は日本と制度が違い,薬局は地域医療のキーになる「コミュニティ薬局」の役割を果たしています。それが70年代にドラッグストアの展開で個人薬局が淘汰される中,チェーンと地域薬局の長所を兼ね備えた薬局を展開し成功しました。顧客満足度一位と評価さ秋葉保次氏金?烈氏2013・2 43