- 欲望渦巻く繁華街から、歩いているだけで眠くなる画一的な住宅街まで。120人の写真家たちが撮った渋谷区全番地、計2862。町の微笑みや無表情、活動、退屈…。思うがままに切り出した写真集。
出版社からのコメント
街を歩くと見かける「○○区○○○丁目○○番地」という表示。住所の最小単位である番地を示すこの住居表示は、たいていは青色をしていて、日常生活で気に留めることはあまりないでしょう。「○○区にある番地全部を撮ったら・・・」という右脳に生まれそうな一瞬のきまぐれを、本当に実行したのがこの写真集です！
「渋谷区代々木1丁目1番地、2番地、3番地・・・」
東京都渋谷区の地図には総計2862の番地が記載されています。この番地を「全部撮ってこい！」という指令のもと、120人のカメラマンたちは引き返せない旅をはじめました。
番地を全部撮るということは意外に苦しいものです。まず日本の住所配置には規則性がないので、1番地→2番地→3番地という撮影場所の移動はできず、地図で撮影済みの番地をチェックしてすすみます。番地表示がない番地があったり、地図上でも欠落している番地もあったりで、撮影者はぐるぐる街を歩きまわることになります。閑静な住宅街ではシャッターを切ることも、人目がある場合は容易ではありません。
「夏草やつわものどもが渋谷道」
撮影開始は2004年夏。東京は記録的な暑さを記録していました。
この過酷な環境にも耐え、120のカメラマンは撮影を終え生還しました。集まった約3万枚の写真はカメラマンたちの撮影するよろこびとくるしみを余すところなく伝えるものでした。
「番地を撮り続けていったい何が生まれるのだろう？」
この疑問への回答の方法は120人のカメラマン全てが違います。撮影方法も技術も機材も対象も全く違います。撮影場所も日本中でも屈指の刺激的なスポットといえる渋谷道玄坂から、コンビニ、カフェ、クルマのディーラーもないような画一的な住宅街まで全くバラバラです。その中で120人が出した回答と記録。それが渋谷道の全てです。
渋谷道｜Beretta P‐05｜雷鳥社
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